Vol.09 伸び盛りの脳は、食べ盛りです。

受験シーズンもいよいよ大詰め。
方程式に、英単語にと、脳細胞も大忙しではないでしょうか。
ところで人間の脳細胞は、ものすごく速いスピードで情報をやりとりすることによって、全身にさまざまな命令を送り出しています。
そのために必要なエネルギーも膨大で、1日約500キロカロリーも消費します。これは、昼夜休みなく全身に血液を送り続けている心臓の消費エネルギーよりも、はるかに多いという報告もあります。つまり脳は、大食漢。つねに脳細胞を活性化させておくためには、何よりもまず、しっかりと食事を摂ってやることが大切なのです。

さらに、メニューや栄養に気を使うことで、頭の働きをより向上させることができるという説もあります。最も有名なのが、魚の目玉をはじめ魚介類だけに含まれるDHAですが、ほかにも、麦芽、大豆、ピーナッツ、レバー、精白米などに多量に含まれるレシチンにも、脳細胞を活性化させる作用があります。また、カカオに含まれるテオブロミンという成分には、脳を穏やかに刺激し、疲れを取り、脳神経を落ち着かせる働きが…。受験生が夜、ココアを飲むとホッと気が休まるのは、実はこの成分の効用です。ともあれ、脳が疲れたら食事。「腹が減っては戦ができぬ」は、受験戦争にも言えることです。

掲載年月 1998年02月

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