薬による治療のあれこれ
ひと言でくすりと言っても、治療の目的はさまざまです。ここでは、くすりを服用する目的別に紹介します。
原因療法
病気や症状の原因を治療することを「原因療法」と言います。代表的なものは、感染症の原因である病原菌を攻撃する抗生物質です。赤痢、コレラ、結核などは、くすりのない時代には不治の病とされていましたが、治療薬が開発された今では激減しています。
対症療法
病気の原因を治療するのではなく、発熱、咳、痛みなどの症状を抑えたり、ゆるめたりする治療を「対症療法」と言います。代表的なものは、痛みに対して用いられる鎮痛薬や、蕁麻疹(じんましん)に対して用いられる抗ヒスタミン薬などです。
補充療法
からだに不足しているものを補う治療を「補充療法」と言います。糖尿病でインスリンが不足している人が行うインスリン注射や、更年期障害で女性ホルモンを補充するホルモン補充療法などがあります。また、最近では女性ホルモンとの関係が深い乳がんの治療でもホルモン補充療法が用いられています。
予防療法

病気の発症を予防するための治療を「予防療法」と言います。インフルエンザウイルス、おたふくかぜ、風疹、麻疹、子宮頸ガンなどの予防接種やワクチン接種がこれに当たります。