食べ物との飲み合わせに注意

くすりのなかには食べ物によって作用が高まったり、逆に低下したり、副作用が出たりするものがあります。ここでは注意しておきたい代表的な食べ物を紹介します。

納豆

脳梗塞などの治療および予防に用いられるワーファリンを飲んでいるときには、納豆を食べないようにしましょう。これは、納豆菌がつくるビタミンKが、ワーファリンの有効成分を阻害するからです。
ワーファリンは血液がかたまったり、血栓ができたりするのを防ぐくすりです。そして、ビタミンKにはワーファリンの働きを弱めてしまう作用があります。せっかく、くすりの作用で血液がかたまらないようにしているのに、ビタミンKがそれを打ち消してしまうのです。
健康食品として人気の納豆ですが、ワーファリンを服用している人は注意しましょう。

コーヒー

禁煙するために、ガムタイプの禁煙補助薬を使う人がいますが、コーヒーを飲んだあとにそのガムを噛むと、十分な効果が得られないことがあります。これは、口の中が酸性状態となっていて有効成分のニコチンが吸収されにくいためです。コーヒー以外にもコーラ、野菜ジュース、果物ジュースなどでも同様なので、禁煙補助薬のガムを噛むときにはこれらの飲み物を控えましょう。

牛乳

牛乳はさまざまなくすりに影響を与えます。
たとえば、一部の抗生物質の場合、牛乳といっしょに飲むことで、消化管からの吸収が低下してしまいます。水と比べ、血中濃度が50%ほど低下するというデータもあり、くすりの効果が十分に得られなくなってしまいます。
ほかにも、便秘薬や胃腸薬のなかには、牛乳といっしょに飲むと、くすりが胃で溶けてしまい、胃のむかつき、吐き気といった副作用を現わすものもあります。

グレープフルーツ(ジュース)

疲労回復に効果的、ビタミンを多く含むなど、最近人気のグレープフルーツ(ジュース)は、高血圧のくすり(カルシウム拮抗薬)といっしょに摂取すると、血圧が下がりすぎてしまうことがあります。
これはグレープフルーツに含まれている成分のなかに、体内でのカルシウム拮抗薬の代謝や分解を阻害するものがあり、血液中に吸収される有効成分の量が増加してしまうためです。薬局・薬店でくすりを受け取る際に、グレープフルーツ(ジュース)といっしょに摂取するのを控えてくださいと説明を受けた場合には、注意を守って服用しましょう。

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