高額長期疾病の特例
※本記事は2020年2月28日現在のものです。

3つの病気・治療法が対象です
非常に高額な治療を長期間にわたって受け続ける必要がある病気の場合、経済的な負担がとても大きくなります。そこで、患者の負担を減らすために、3つの病気・治療法に限り、高額長期疾病の特例として原則、自己負担限度額が10,000円に減額され、それを超えた額が高額療養費となります。
対象となる病気・治療法は、次の3つです。
①人工腎臓を実施している慢性腎不全(70歳未満で上位所得者※の自己負担限度額は20,000円)
②血漿分画製剤を投与している先天性血液凝固第Ⅷ因子障害または先天性血液凝固第Ⅸ因子障害
③抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群(HIV感染含み、血液凝固因子製剤の投与に起因するHIV感染症に関する治療を受けている人に限る)
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年収約1,160万円以上または年収約770万円~約1,160万円の方。
②と③に関しては、自己負担限度額10,000円のすべてを都道府県が公費で負担しますので、患者の窓口での負担はありません。
慢性腎不全で公費の費用徴収があれば世帯合算の対象に
高額長期疾病の特例を受ける場合は、医療保険に申請し、「特定疾病療養受療証」の交付を受けます。②と③の場合は、これに加え、都道府県に申請し、「先天性血液凝固障害等医療受給者証」の交付を受け、医療機関の窓口で医療保険の被保険者証と共に提示します。
②と③は患者の負担がないことから、高額療養費の世帯合算や多数回該当はありませんが、①は、公費に対する費用徴収が行われる(患者の医療費負担がある)場合は、費用徴収部分に関して世帯合算の対象となります。
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都道府県によっては、①の自己負担限度額に対し、公費で助成している場合もあります。
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慢性腎不全で条件を満たす場合は、障害者手帳の交付が受けられる場合があります。障害者手帳が交付されると、都道府県から助成を受けられる場合もあります(助成の内容は都道府県によって異なります)ので、詳しくはお住まいの市町村の窓口にお問い合わせください。
公費の費用徴収がある場合の世帯合算イメージ

社会保険研究所「公費医療・難病医療ガイド(平成29年4月版):公費医療と高額療養費の関係」より作成