食事療法 1:毎日の食事習慣

監修:横浜総合病院 糖尿病センター センター長 田中逸先生

1. 20分以上かけてゆっくり食べることが大事

時間が無く、食事を早食いで完食している人はいませんか?
食事を速く食べた場合とゆっくり食べた場合とでは下のグラフのように食後血糖値に差があります。
食事自体をゆっくり(少なくとも20分以上目安)摂ることで、血糖がゆっくり上昇します。

ゆっくり食事すると食後の血糖上昇が緩やかになります

2. 間食は量や内容を見直す

血糖値の上昇や体重増加などを避けるために、間食は控えた方が良いですが、食事療法を開始して日が浅く、間食や甘いものがまだまだ欲しい人は、段階的に減らしてみるなど、主治医と相談しましょう。

  • 回数を減らす(1日2回は1日1回に、毎日1回は隔日に、隔日は週1〜2回に、など段階的に減らす)
  • 1回当たりの量を減らす
  • 内容を変える
    (菓子類やソフトドリンク、フルーツ⇒ 豆類、ナッツ類、乾燥昆布や寒天製品など糖質が少なく食物繊維を多く含むもの)

田中逸 著:セミナー糖尿病診療アドバイス 日本医事新報社 ,1, 2021

3. アルコールは適量を

アルコールの摂取は適量(1日25g程度まで)にとどめ、肝疾患や合併症のある人は禁酒してください。併存する病気や服用薬などをふまえて主治医と相談しましょう。

主な酒類の換算の目安

また、アルコールには利尿作用があるため、飲酒後は脱水になりやすくなります。糖尿病で脱水状態になると腎臓機能の悪化や乳酸アシドーシスの危険性が高まります。

田中逸 著:セミナー糖尿病診療アドバイス 日本医事新報社 ,1, 2021
日本糖尿病学会編・著,糖尿病治療ガイド2020-2021,P.50,文光堂,2020より一部改変

4. 夕食時間が遅い人は

遅い時間の夕食や夜食を摂ると、就寝時間までに積極的に運動しない限り、食後に肝臓や筋肉に取り込まれたブドウ糖はあまり消費されません。このような習慣は脂肪肝や体脂肪として蓄積されるので、夕食時間を早めることは脂肪肝や体脂肪の減少に有効です。

田中逸 著:セミナー糖尿病診療アドバイス 日本医事新報社 ,1, 2021

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