治療について相談したい:医師

監修 独立行政法人国立病院機構 相模原病院 神経内科 医長 長谷川一子先生

「医師」は、「医療及び保健指導をつかさどることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するもの」とされています(医師法総則第1条)。

医師は、医療(診療)を行い、病気の診断と治療方針を決め、治療薬が必要なときは、患者さんに適した薬を処方します。診断・治療の指示や処方は医師のみが行います。また、経過を診て、そのつど治療方針を決めていきます。必要な場合には看護師や他の専門職へ指示を出しながら、患者さんの病気の治療全体を担います。

パーキンソン病の患者さん、ご家族の方へ

日常生活での症状メモが、診療に活躍します

医師は、パーキンソン病の症状をコントロールするために、薬を処方したり、運動療法などをとり入れたりします。

治療を続ける上で、診療の対話はとても大切です。パーキンソン病では、日々の天候や出来事によって一日一日症状が変化することがあります。他の内科、整形外科、泌尿器疾患を合併し、そちらの治療をされていることもあります。薬物の相互作用もありますので、この点も医師に伝える必要があります。また、薬の効きめ、効く時間の長さが変わることもあります。そのため、薬を処方する時には、十分な効果がでるように日々の症状を細かく伺います。患者さんやご家族の方は、検査では表せない痛みや日頃の状態、治療の経過などについて、医師へお伝えすることが大切です。

前回から次の診療までの間の様子について、症状日誌やアプリなどで日々記録して持参するととても便利です。受診の時、ついつい聞き忘れてしまいそうな事を日頃から忘れぬうちに記録として残しておくと、医師に伝える手助けになるかもしれません。

治療の記録には症状日誌やアプリが便利です。

治療の記録には症状日誌や
アプリが便利です。

こちらから症状日誌がダウンロードできます

記録しておきたいこと
  • 日常生活で困っていること
  • 1日の症状の変化(動きやすさ、睡眠時間など)
  • 日常生活の変化(良くなったこと、悪くなったことなど)

神経内科の専門医とかかりつけ医とが連携するケースも

パーキンソン病の専門医は「神経内科」のほか、「脳神経外科」などです。近くに専門医がいない地域では、遠くから数か月に一度、専門医のいる病院へ通院している患者さんも多いようです。そのような時は、近所で健康のことを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる「かかりつけ医」と、神経内科医の両方の医師にご自分の情報を共有しておきましょう。

かかりつけ医と神経内科医同士をしっかりと繋ぎ、治療を円滑に進めるために日々の情報を伝達する役割は患者さんご自身とご家族です。ここでもメモや記録は、同じ情報をそれぞれの医師に伝えることができるのでとても役立ちます。

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