料理、食事、リハビリのよくあるお悩みとみんなの工夫|みんなの工夫
医師監修:東京医科大学 神経学分野 主任教授 赫(てらし) 寛雄 先生
管理栄養士監修:株式会社おいしい健康 管理栄養士
パーキンソン病の患者さんは、体が動かしづらい、薬が効く時間と効かない時間がある、などの理由から、毎日料理や食事をすることに悩みを抱えている方も多いでしょう。
そこで患者さんが抱える料理や食事、さらにはリハビリの悩みについて医師や管理栄養士がお答えします。
さらに「みんなの工夫」と題して、毎日料理をしているパーキンソン病患者さんに日常生活の工夫を伺いました。
もくじ
Q1. 料理をするときに気をつけることは?
みんなの工夫
- 体が動きやすい時間に料理をするようにして、つらくなってきたら中断しています
- 料理の時間は時短を意識。食材の下準備や作り置きできる煮物やサラダなどは、体が動くときにまとめて作ります
- 少しでも時短になるように半端に残ってしまった野菜などを、ピクルスやぬか漬けにして常備しています
医師からの回答・アドバイス
・オンの時間帯に料理ができるよう服薬の時間を調整する
・買い物や下ごしらえは、体が動きやすい午前中に済ませるといい
パーキンソン病の治療を開始して3〜5年たつと、徐々に薬の効果の持続時間が短くなり、1日の中で薬が効いている時間(オン)と切れている時間(オフ)が出現するようになります。この現象をウェアリングオフといいます。
ウェアリングオフは、振戦(震え)や体のこわばり、歩行、着替え、書字などの動作の障害だけでなく、思考力、注意力といった認知、うつや不安といった気分の障害、また痛みなどの運動以外の症状にも認められます。患者さんの多くは、オフの時の方が気分の落ち込みや不安、また痛みを強く感じます。
このようにオンとオフがある中で、料理をする時間帯がどの状態なのか、まずはご自身で評価することが重要です。一般に早朝(起床後)や夕方(16~18時くらい)などの食事の支度をする時間帯は、1日の中でもオフになりやすい時間帯です。
まずは症状日誌をつけ、どの時間帯がオフになっているのか、体の動きだけでなく、気分などの変動についても主治医に伝えましょう。料理をする時間帯がオフの状態であれば、薬剤を調整してもらうといいでしょう。
また、比較的体が動きやすい午前中に買い物や下ごしらえを済ませておき、実際の料理時間を短縮することもおすすめです。(赫先生)
管理栄養士からの回答・アドバイス
・けが、やけどの予防にコンロ周りに物を置かない
・冷凍野菜や乾物を使って料理時間短縮の工夫をする
うっかりするとけがにつながりやすいのが料理時間。けがをしないためには、物が燃えたり、やけどをしないように「コンロなどの近くには物を置かないこと」。また「フライパンの持ち手や包丁の持ち手は、調理台からはみ出さないように置くように心がける」、これらを徹底すると体に引っかけてひっくり返す危険性が減りますよ。取っ手が外せるフライパンや鍋を使うのもいいでしょう。調理台の上にも必要以上に物をおかず、作業スペースを確保することも大切です。
また、オンの時間帯で料理をするためには、時短が鍵になってくるでしょう。野菜を冷凍保存したり、乾燥わかめなど乾物を汁物に取り入れることで料理のひと手間を省くことができますし、使いたい分だけ取り出せて便利です。他にも市販の冷凍野菜や缶詰などの加工品も上手に活用するといいでしょう。(おいしい健康 管理栄養士)
Q2. 料理中に突然、体が動かなくなってしまったことが。注意することはある?
みんなの工夫
- 揚げ物中にオフになったときは、危ないので食材が油に入ったままでも火を止めて待機しています。その後は家族にお願いすることも
- キッチンに椅子を置いて、体がだるくなるとすぐに座れるようにしています
- 材料は下ごしらえ済みのものを活用したり、オフになる前に作業が終わる工夫をしています
医師からの回答・アドバイス
・まずは火を止めて待機
・台所に椅子を置いて、いつでも休憩できるようにする
・転倒防止のために台所の床には物を置かない
Q.1でも紹介した通り、オフになると、運動機能が落ちるだけでなく、思考力や注意力も低下する場合があります。オフの程度にもよりますが、料理の継続が困難な場合には火を止めて休みましょう。すぐに座れるように、台所に椅子を用意しておくのもいいですね。
オフのときはすくみ足が起きやすく、転倒に注意が必要です。すくみ足は、閉所や障害物の傍を通るときに起きやすいので、台所の床には物を置かないことも大切です。また、ご家族に火を使う調理を手伝ってもらったり、調理を分担するのもおすすめです。
料理をしているときにオフになることが続くようでしたら、Q.1で紹介したように主治医に相談し、薬剤調整を試みるのもいいでしょう。(赫先生)
管理栄養士からの回答・アドバイス
・安全のためにコンロの周りは常に片付ける
・床は広く、きれいに保つ
突然オフになるなど、いざというときに備えてコンロの周りは常にキレイにしておきましょう。キッチンは意外にも、燃えやすいふきんや菜ばし、溶けやすいプラスチック製用品があるので、安全に備えて調理をするといいでしょう。
また、一見キレイに見える床も、料理をすると意外と汚れるため、滑りやすくなっていることがあります。急に動きづらくなったときの安全性を確保するためにも、電子調理器具などのコードで引っかかって転倒などしないように、床はキレイに広く保つように心がけましょう。 (おいしい健康 管理栄養士)
Q3. 包丁が上手に握れない、力が入らずに切りづらい
みんなの工夫
- 体が揺れてしまい危ないときもあるので、包丁を扱うときは台所に他の人を入れないようにしてます
- 調理バサミを活用しています
- 切らないで済む市販のカット野菜もよく使いますね
医師からの回答・アドバイス
・体が揺れる場合はジスキネジアの可能性も。薬の調整で改善できることもある
「体が揺れる」、「包丁を持った手が勝手に動いてしまう」というのはジスキネジアという病態を指していると考えます。いわゆる薬が効きすぎている状態です。ご自身で体の動きを調整することが困難であり、またバランスも悪くなることから転倒の危険もあります。ジスキネジアも薬剤調整で改善できる場合がありますので、主治医の先生に相談してみてはいかがでしょうか。
ジスキネジアは、薬が効いているときに起きる現象です。患者様の中には、パーキンソン病の症状である「震え」と誤解され、薬を追加して内服してしまい、かえって症状を悪化させてしまっている方もいらっしゃいます。(赫先生)
管理栄養士からの回答・アドバイス
・調理バサミやスライサーを使ったり、包丁以外の道具を使う
・市販のミールキットを利用する
包丁を落としてしまう場合は、介護包丁を使ってみるのもいいですね。グリップが通常のものとは違って刃の上にあるので、力を入れずに簡単に切ることができますし、落とす心配も減ると思います。また、まな板は下に滑り止めマットや布巾を敷いて、しっかりと固定することも大切です。
また、包丁ではない別の道具を使ったほうが安全な場合もあります。調理バサミやスライサーなどを使ってみてもいいかもしれませんね。調理バサミの中には、先がカーブしていて食材が切りやすくなっていたり、持ち手も大きく握りやすいものもあります。最近ではみじん切りが簡単にできるフードカッターなども売っていますよ。
また、野菜やお肉、調味料が一緒になったミールキットを使うのもおすすめです。ほとんどの場合、材料がカットされているので、包丁を使う手間が省けますよ。(おいしい健康 管理栄養士)
Q4. 重い鍋やフライパンを持てなくなり、振ったり、盛ったりするのが大変
みんなの工夫
- 軽い素材のものに変えてからは、ずいぶんと楽になりました。振ったり、かき混ぜたり簡単にできるようになったので、今はフライパンで作る料理が一番楽だと感じます
- ガスコンロをIHに変えてからは、振る作業がいらないので便利です
- トングを使うと簡単に混ぜたり、盛ったりできて、フライパンを持つ時間が減らせます
医師からの回答・アドバイス
・軽い素材に変えたり、調理器具を見直す
・筋力アップや関節の可動域を広げるリハビリを行うのもおすすめ
病気が進行すると、どうしても筋力が落ちたり、関節の可動域が狭くなったりして、フライパンを持ったり、振ったりする動作がしにくくなります。また、手先の細かな動作が苦手となるため、調理に時間がかかるようになります。
軽いフライパンや鍋に変えることもいいと思いますし、落とすと危ないのでなるべくコンロに置いたまま調理したり、盛ったりするようにしましょう。トングなど調理器具を見直すのもいいですね。
また、リハビリによって筋力強化や関節の可動域の改善が期待できるので、主治医や理学療法士、作業療法士などの医療スタッフの方と相談するのもいいでしょう。(赫先生)
管理栄養士からの回答・アドバイス
・フライパンは取っ手が重くなく、安定するものを選ぶと使いやすい
・シリコン製のおたまやフライ返しは軽くておすすめ
重い調理器具は、思い切って軽いものに変えてもいいかもしれません。フライパンは取っ手が重くなく、食材を入れていないときも安定しているものを選ぶと使いやすいでしょう。
また、シリコン製のお玉やフライ返しは軽くて、炒めるときに使っても鉄製のものに比べて熱くなりにくいのでおすすめです。シリコン製のお玉は鉄のお玉のように鍋のフチにおくと、その重みでひっくり返ったりしにくいところもポイントです。(おいしい健康 管理栄養士)
Q5. コンロに火がついていることを忘れてしまってヒヤリとした
みんなの工夫
- 加熱時間があらかじめ分かっているときは、火をつけたらすぐにタイマーをセットするようにしています
- 電子レンジのように、なるべく火を使わないで加熱できるものに頼るようにしています
- 鍋やフライパンの温度が一定以上高くなると自動で火が止まるガスコンロに変更しました
医師からの回答・アドバイス
・「焦げているにおいが分からない」「食材の香りを感じられない」という方は、嗅覚障害が起きている可能性も。一度、検査を受けてみましょう
・「料理の段取りが悪くなった」「鍋に火をかけたことをうっかり忘れてしまった」といったことが多くなったら、認知の問題かも。料理手順を確認し、メモしてから料理を作るくせをつけましょう
火を消し忘れる原因の一つとして「鍋などが焦げているにおいに気づかない」ことが考えられます。パーキンソン病は、発症早期、運動症状が出現する数年前から、嗅覚障害が起きていることが知られています。海外の調査では、患者さんの約75%に「においを感じられない」、また約90%に「においを識別できない(何のにおいか分からない)」という症状が認められることが報告されています。(※1)
嗅覚障害は、残念ながら治療によって改善することが難しい症状です。嗅覚障害は、患者さんが自覚しにくい症状であり、自身の症状を認識されていない患者さんも多くいらっしゃいます。嗅覚は大切な五感の一つであり、その障害の有無を知っておくことは、料理をする上でも重要と考えます。気になる方は主治医に相談してみましょう。
また、「料理の段取りが悪くなった」と感じたり、「同時に2つのことを行っていると、ついつい鍋に火をかけていることを忘れてしまう」といったことはありませんか。パーキンソン病では、比較的早期から、「遂行機能障害」や「注意障害」といった認知の障害が認められることがあります。そのため、「複数のことを同時に行うことができない」「計画を立てて手際よく順序立てて行うことが難しい」「火をかけていることをつい忘れてしまう」といった症状が出現します。料理を始める前に、あらかじめ調理の手順を決めてメモしておき、一つ一つ確認しながら作業を進めることをおすすめします。(赫先生)
※1 馬場徹ら 年精神医学 第30巻第2号
管理栄養士からの回答・アドバイス
・同時進行で何品も作ることはせず、1品ずつ作る
・火をつけたら必ずタイマーをつける
・電子レンジやオーブントースター調理を増やす
同時進行で2品などを作ることをせず、火を使っているときは、それに集中することを心がけるといいでしょう。また、「みんなの工夫」でも紹介されていましたが、火をつける際はタイマーも同時につけることを徹底するといいですね。
また、電子レンジやオーブントースターの調理を増やすこともおすすめです。主菜から副菜までいろいろな料理ができますので、こちらもぜひ試してみてください。(電⼦レンジで 鮭のとろろ蒸し、ポテトマヨネーズグラタン)(おいしい健康 管理栄養士)
Q6. 料理で疲れてしまい、食事の量が食べられない。体重減少も心配…
みんなの工夫
- 丼ものは口に運ぶ回数が少なくても、たくさん食べることができました。洗い物が減るのもよかったですね
医師からの回答・アドバイス
・疲れて食事が進まないならば、休憩をとってから食べてもいいでしょう
・体重が減っても栄養状態が悪いわけではないことが多いので、気にしすぎないようにしましょう
パーキンソン病の患者さんから、「疲れやすい」、「家事をすると疲れてお買い物に行けない」、「疲れて食事が進まない」など、疲労に関する訴えをお聞きします。疲労は、パーキンソン病における一つの症状とみなされており、40〜50%の患者さんにみられることが報告されています。(※2)
料理をした後に疲れて食事が進まない場合には、少し休憩して、回復してから食事をとっても構いません。オフのときに疲労を感じやすいため、オンの状態で食事をするように薬の調節を行うのも一つの方法です。
パーキンソン病の患者さんの中には、「食べても太らない」「体重が減った」など、体重減少を気にされている方も少なからずいらっしゃると思います。パーキンソン病では、50〜65%の患者さんに体重減少がみられ、パーキンソン病と診断される以前から既に始まっていることが報告されています。(※2)その原因については、不明な点も多く、個々の患者さんによっても異なります。体重が同年代の方と比較して低いからといって、必ずしも栄養状態が悪いというわけではありません。主治医と相談して、原因を一つ一つ解決していくといいでしょう。
体重が増えないことをストレスに感じすぎないようにしましょう。(赫先生)
※2 大熊泰之 BRAIN and NERVE 第64巻4号
管理栄養士からの回答・アドバイス
管理栄養士からの回答・アドバイス
・エネルギー源の主菜をしっかり食べる
・1度にたくさん食べられない場合は間食で補う
毎日の活動に必要なエネルギー源となる栄養素は「炭水化物、たんぱく質、脂質」の3つ。食卓のメインおかず(主菜)やごはん・麺など(主食)から取り入れます。どんぶり(丼)は主食と主菜を一緒に食べられるので気軽さ・手軽さという点でもおすすめです。
1食で量が食べられないときは、間食で補うのもいいでしょう。例えば、和菓子類は主に炭水化物を含みエネルギー源になります。洋菓子類は、卵や乳製品を使うものも多く、エネルギーだけでなくたんぱく質の補給にも活躍しますよ。間食用のレシピを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。(カステラアイスのヨーグルトがけ )(おいしい健康 管理栄養士)
Q7. 体が動かなくて料理するモチベーションが上がらない
みんなの工夫
- 好きな音楽をかけると、自然と体が動きやすくなる気がします
- 私はお菓子作りが好きなので「友達の誕生日に作ってあげる」などと目標を決めて頑張っています
- 料理は義務ではなく、趣味だと思って料理をしています
医師からの回答・アドバイス
・オフの状態になると意欲も落ちてきます。なるべくオンのときに始めるとモチベーションも上がりやすい
・まずは料理できる環境を整えてみる
・料理は運動と認知の両方に有効な作業。リハビリと思ってやってみる
パーキンソン病患者さんは、うつ、意欲の低下、興味の減退といった気分障害、また疲労、疼痛などの症状により、行動意欲、すなわちモチベーションが上がりにくいという背景があります。これらの症状は、オフのときにより顕著となりますので、薬剤調整によりある程度の改善は期待できます。
料理に対するモチベーションを上げるためには、環境づくりも大切だと思います。すくみ足は、台所のような狭い場所で起きやすく、ときとして転倒の原因にもなります。「台所の床には物を置かないで通りやすくする」、「食材や調味料は手の届く範囲に置いて最小限の移動で済むようにする」といった工夫も重要です。床や壁に視覚的な目印をつけて、すくみ足に対処する方法もあります。「姿勢異常により調理がしにくい」「長時間立っていると疲れる」というような場合には、「踏み台を作ってちょうどいい高さで調理ができるようにする」「椅子を用意する」など、気持ちよく作業できる環境整備も大切です。
料理は手を動かすだけでなく、頭を使う作業です。Q.5でご紹介した通り、料理は認知のリハビリにもつながりますので、運動と認知の両方に有効なリハビリと思ってやってみるのもいいかもしれません。(赫先生)
管理栄養士からの回答・アドバイス
・ごはんに食材をのせるだけなど簡単の料理からはじめてみる
毎日の料理が義務と思ってしまうと、なかなかモチベーションが上がりませんよね。体調が悪いときやつらいときは、買ってきた惣菜をお皿に移し替えるだけでもいいでしょう。
オンの時間帯など体調のいいときに、もう少しできそうだなと思ったときは、惣菜や食材をごはんにのせるだけなどの一品を作るところから始めてみてもいいかもしれません。また、お友達や家族と一緒に作ってみるのもおすすめです。(おいしい健康 管理栄養士)
Q8. リハビリのモチベーションが上がらない、仕事をしていて通う時間がない
みんなの工夫
- テーブルを拭いたり、料理を作ったり、家事をするだけでもいい運動になります
- 料理するときもリハビリをかねて便利グッズは使わず包丁で切る、煮込んでいる間に足でステップを踏むなど、できるだけ体を動かすよう意識しています
- ペットの散歩やラジオ体操など、生活の中で取り入れやすいものから挑戦しています
医師からの回答・アドバイス
・仕事や家事を行うこと自体がリハビリになっていると考える
・通勤のときに一駅分歩く、時間のあるときに家の周りを歩くなど、すき間時間にできることを探してみるのもいいでしょう
身体機能を維持・改善するためには、活動的なライフスタイルを送る、運動を習慣化することが大切です。運動は、ご自身が負担に思わず、楽しんでできることから始めるといいでしょう。まずは「家事をしっかりする」、「外に出て、家の周りを1周してみる」、「電車の中では座らないで立っている」、「エレベーターではなく階段を使う」など、身近にできることから始めてみるのはいかがでしょうか。
パーキンソン病の患者さんはどうしても動きが小さくなりがちなので、歩くときは大股で手をしっかり振ることを意識するようにして下さい。短い距離でも、良い姿勢で歩くことを心がけることが重要です。
リハビリ(運動療法)は、薬物療法と車の両輪のような関係です.日々の生活の中に運動を取り入れることにより、薬の効果が高まり、身体機能の維持や改善、生活の質の向上につながります。また、うつや不安障害などの気分の障害、認知機能、睡眠障害に対する有効性も指摘されています。まずは楽しめる範囲で、生活の中に運動を取り入れて、活動量を増やすように心がけて下さい。(赫先生)